PROJECT / ウナギの遡上を助ける「ライスレジン魚道プロジェクト」

2022.09.13


うなぎの養殖発祥の地であり、日本一の鰻ブランドで知られる静岡県浜松市にある浜名湖。

しかし、ある悩みを抱えていました。それはニホンウナギ資源の減少です。

理由の1つとして、川の護岸工事のほか、ウナギの遡上を妨げる堰やダムなどの河川工作物によってウナギの生息域が狭まったことが挙げられています。

その浜名湖養魚漁業協同組合で開発・設置管理責任者を務める古橋アンバサダーより、当社のライスウェーブを使って鰻の遡上(そじょう)を助けることができないか、と相談を受けたのがプロジェクトの始まりでした。

数年前より浜名湖養魚漁業協同組合では、ホームセンターなどで販売されているプラスチック製の芝マットを使用して「魚道」の設置活動に取り組んでいました。しかし、その素材の多くがプラスチックであったことから、環境負荷が問題となっており、SDGsの観点に寄り添い、CO2・食品ロス削減ができる「ライスレジン」「ライスウェーブ」に白羽の矢が立ったのでした。

最初は正直「???」という感じでしたが、ウナギの生態や現地の深刻な環境問題など伺ううちに、「これはきっと当社のライスウェーブがお役に立てるかもしれない」と確信に変わっていき、非食用米を原料としたプラスチック素材「ライスレジン」を製造する新潟県南魚沼市の株式会社バイオマスレジン南魚沼、そのライスレジンを網目状のクッション材「ライスウェーブ」に成形する技術を持った当社の3社コラボレーションで「ライスレジン魚道」プロジェクトがスタートしました。

何度も実験、観察、試作を繰り返し、ウナギの遡上の様子を動画でも確認し、ついに「新型ライスレジン魚道マット」を開発。8月の猛暑の中、現地の河川に設置する取り組みを行いました。

パートナーとして開発実験に参加している地元のオイスカ浜松国際高校自然科学部の生徒も手分けをして遡上実験を重ね、今後はライスレジン魚道の運営を担っていくとのこと。

当社代表坂田も「インテリア用資材として開発した『ライスウェーブ』がこのような形でウナギの生息に役立つことを知り、感動しました。」というコメントを寄せました。

今後も役に立てることがあれば会社として取り組んで参ります。


浜名湖養魚漁業協同組合の古橋アンバサダー(写真左)のコメント
「『ライスレジン魚道』には多くの方の思いが詰まっています。これからも皆さんと一緒にウナギの資源保護活動に尽力していきたいと思います」